世界初の工業用IoT集塵機 エムジオット

正しい集塵機の選び方について

<はじめに>

初めまして。
IoT集塵機メーカーのエムジオット株式会社です。

こちらの‘お役立ちコンテンツ’では、エムジオットに関する情報だけでなく、生産工場でのホコリ対策についての有益な情報を余すことなく配信していく予定ですので、定期的にチェックして頂けると嬉しいです!

今回は、とても基本的な話ですが、世の中にある集塵機の種類や、それらの正しい選び方について詳しくお話していこうと思いますので、これから集塵機の選定が必要な方は是非最後まで読んで頂けると幸いです。

また、気になることがあれば、お気軽にお問い合わせフォームからご連絡下さい。

集塵機の種類一覧

集塵機が必要になった時、多くの方はお近くの商社様に問い合わせるか、最近だとインターネットで検索して、良さそうな集塵機をいくつかピックアップ、相見積もりを行うことが多い印象です。

とはいえ、基本的には掃除機のような至ってシンプルな機械なので、それなりの専門知識がないと具体的な違いは分からず、身近な人にオススメされて買ったけど、実は選定ミスしていた、なんて事例もよくあります。

そのようなミスを起こさないためにも、大まかな種類についてだけでも知っておく方が良いと思います。

風量型集塵機

まず、最も市場に出回っている集塵機について深堀りしていきましょう。

ネットで、[集塵機 工場]などのキーワードを検索すると出てくる機種の多くは、この‘風量型集塵機’に該当してきます。

この集塵機を一言で言うと、‘換気’の原理を利用した集塵機だとお考え下さい。

該当する空間の空気の入れ替えを行うついでに、粉塵も一緒に吸い込むようなイメージです。空気の入れ替えという事は、その辺にある空気を吸い込んで、それらを浄化してクリーンな空気を出口から出す作業を行うので、粉塵は「空気中に散乱している」ことが条件になります。

この前提で考えると、空間の空気を入れ替える能力はあるが、舞い上がらないような重たい粉塵は吸引できない。ということになります。

その空間全体が吸引のターゲットになるので、できるだけ太いホースを使って一度に吸引できる量を増やし、フィルターの面積もできるだけ大きくして、大量の空気を一度に排出できるようになっている機械が多い印象です。

裏を返せば、小型の風量型集塵機は本来の原理に相反するもので、サイズが小さくなれば吸引力もちゃんと小さくなっているのでご注意下さい。

高圧型集塵機

次に、高圧型と呼ばれているブロワを使用した集塵機についてご紹介します。

先程は空間に散乱している粉塵を換気のメカニズムで吸引する集塵機について説明しましたが、高圧型集塵機はその真逆で、掃除機のようにピンポイントに狙ったところを吸引するタイプの集塵機のことで、例えば二次電池の切断、巻き取り工程などの、より局所的な粉塵の吸引にフォーカスしています。

機能的な違いとして、風量型集塵機の10倍以上の回転スピードをもつブロワモーターが使われており、それによって強い吸引圧力(静圧とも呼びます)と早い風速を発揮できます。

他の場所へ散乱する二次被害を防ぎながら、必要なところだけ集塵できるため、生産ラインの内部に集塵機を組み込んで、細いホースを接続して使う場合が多いです。

また、モーターの大きさよりもスピードが売りなので、比較的小さいサイズの集塵機でも、かなりパワフルな機種が多い代わりに、風量型集塵機に比べて値段が高いのも特徴です。

中圧型集塵機

ここまで、換気の原理が風量型集塵機、掃除機の原理が高圧型集塵機という風に説明し、それぞれに明確な特徴があることがわかりました。その他に、2種類の集塵機の良いところを合わせたタイプの、中圧型集塵機も存在します。

風量型集塵機よりも吸引圧力が高く、高圧型集塵機よりも広い範囲を吸引できるというメリットを持っているので、それなりに広い空間の中に散乱もしているし、製品への付着も見られる、といった場合に選定することが多いので、半導体工場などでは一番マッチングしていると言われています。

この話を聞く限り、なら中圧型集塵機がベストで、他のタイプは別に必要ないじゃないかと思われるのですが、この種類のブロワは少し特殊で、あまり市場に出回っていないため、発売しているメーカーが少ないのでご注意下さい。

集塵機の主な用途

ざっくりとそれぞれの集塵機の特徴について説明しましたが、次は用途に合わせた検索方法を見ていければと思います。

そもそも集塵機の基本的な機能はどれも同じですので、多少の選定ミスがあったとしてもそこまで大きな問題にはなりませんし、そもそも選定が正しいのかも分からない場合がしばしばあります。

ですが、使用用途に合わせた選び方を知っておくと、より効率の良い集塵効果が得られます。

人体への吸引を防ぐ

先述の内容をもとに考えると、人体への吸引を防ぐのであれば風量型集塵機を選定するのがおすすめです。ですが、この時に考えなければいけないのが、「その粉塵の材質」です。

例を用いてお話すると、木くずや鉄くずであれば、とりあえず吸引さえ出来ればOKです。

一般的な材質よりも重量が重たく、サイズが大きく発生量も多い場合があるので、大きいサイズの集塵機を選ぶ方が良いですし、排気口からせっかく吸った粉塵が漏れる心配もさほどありません。

だからこの場合は、とにかく安くて風量が大きい集塵機を探せば問題ありません。しかし、化学薬品や食品など、繊細なものを扱う場合などは全く話が変わってきます。その場合は、その材質に「爆発性」があるかを見なければなりません。

※粉塵爆発については、機会があれば後日記事にしたいと思います。

例えば、小麦粉や砂糖、金属粉や薬品粉末の場合、粉塵爆発を引き起こす可能性があるので、特殊な集塵機を選定しないといけません。この集塵機は、普通の集塵機とは異なるので、

「防爆集塵機」と検索してからメーカーに問い合わせることを強く推奨します。

また、それ以外で注目したいのは、排気口の種類です。

集塵機には排気口にフィルターが付いておりますが、安い風量型集塵機にはついていない場合があります。このタイプは、クリーンルーム内などでは使えないので、コンタミ管理に厳格な場所で使う場合は、「風量型集塵機 排気HEPAフィルター」などの検索ワードで探すのがオススメです。

製品への付着を防ぐ

粉塵が付着しないように集塵機を設置する場合は、高圧型集塵機に細いホースを取り付けて、その製品付近に設置するのが一般的です。

この時、集塵機は生産ラインの近くに置くことになるので、先述のように、排気口にどんなフィルターが付いているかを予め確認しておく方が良いです。

そして、生産ラインに組み込む場合は、都度その場所に行って電源操作を行う事は避けたいので、PLCで遠隔操作ができる仕様が好ましくなります。

集塵機のリモート機能に関して

このような仕様を選ぶには、「高圧型集塵機 遠隔操作」「高圧型集塵機 PLC 外部出力」などで検索してみて下さい。

ただ、注意して頂きたいのは、PLCの設定を行わないといけないので、予め集塵機の電気に関する取扱説明書を読んだ上、設定を行う業者の選定、見積を行った後に集塵機を購入して下さい。

製品に付着した粉塵を取り除く

先程、製品への付着を防ぐ場合の検索方法をお伝えしましたが、「粉塵が既に製品に付着している」のであれば話は全く変わってきます。

結論から申し上げますと、既に付着している粉塵を集塵機だけで吸引するのは不可能だとお考え下さい。

もしも高圧型集塵機を購入してそのままホースを製品に近づけても、残念ながら何も変化がないか、あるいは製品ごと勢いよくホースに吸い込まれるかのどちらかでしょう。

掃除機もそうですが、高圧型集塵機は近くにあるものを吸うのが得意なので、ホースと製品の距離が遠いと粉塵を吸う事はできず、反対に近づけすぎると、粉塵だけでなく製品ごと吸い上げてしまうくらい吸引圧力が強いからです。

そういった場合は、圧縮エアーや除電器などで、静電気を取り除きながら異物を一旦吹き飛ばす事ができる集塵装置を別注品で作る必要があります。

そのため、「製品に付着した粉塵を取りたい」と伝えた上で集塵機だけを提案された場合は、満足いかない結果で終わることがほとんどだとお考えになった方が良いと思います。

そうならないためにも、「除塵装置 オーダーメイド」などから検索することを推奨いたします。

ヒュームを取り除く

これまでお話してきた内容は、吸引する対象が粉体である事を前提として説明しました。もし煙などを集塵する場合、選ぶべき集塵機の種類が全く変わります。

先ず着目すべき点は、「熱の有無」

煙を吸引する際、先ず着目すべき点は、「熱の有無」です。

例えば、溶接時に発生するヒュームを集塵する場合、熱を持ったスパッタも一緒に吸引して、集塵機のフィルターに引火する可能性があります。

通常、集塵機のフィルターが不織布で作られているので、その前にスパッタを冷却できる構造の集塵機を選定する方が無難なので、「集塵機 サイズ スパッタ Hz(安い方がよければ)」の順に入力するのがオススメです。

ちなみにHzについてですが、地域を限定した型式を選ぶと、周波数変換が必要ないので、その分安くなります。例えば、関西での周波数は60Hzなので、60Hz専用の型式を選定すれば、風量調整や関東への移動ができない代わりに、コストを下げることができます。

スパッタが発生しない場合の煙の集塵は「煙の粘着性」をチェック

次にスパッタが発生しない場合の煙の集塵については、「煙の粘着性」をチェックして下さい。よく当てはまるのが、レーザーマーキング工程で発生する煙です。

これは普通の煙とは違って、樹脂やラベルの表面にレーザー印字を行うため、粘着性があって有害性のある煙を発生させます。この粘着性ですが、一番身近な例を出して説明すると、たばこです。

長い間喫煙された室内を見ると壁が黄ばんでいて、触ると少し粘り気を感じますよね?

あれは、たばこに含まれるタールに粘着性があるからで、もしたばこの煙を普通の集塵機で吸引すると、不織布のフィルターに膜を張ってしまい、早いと1日持たずに目詰まりを起こします。

だからレーザー加工機から発生するような煙を集塵したい時は、「レーザーマーカー専用集塵機」を選定する必要があります。

このタイプの集塵機は、粘着性のある物質をキャッチしてくれる特殊な粉体が入った専用フィルターを通過させるので、不織布の目詰まりを遅らせることができ、より長くお使い頂けるようになっています。

また、脱臭効果のある活性炭が入った別のフィルターも通過するので、排気口から悪臭を放つこともありません。

ただ、レーザーマーカー専用集塵機を選定する時に、「極端に安いものは、粘着ヒュームに対応していない機種がある」という事にご注意下さい。なので購入前に必ず粘着ヒュームに対応しているかは確認するようにしてください。‘簡易’とか書いていたら要注意です。

正しい集塵機の選び方

これまで、集塵機のタイプや仕様用途のご説明をしましたが、メーカーが多すぎて実際何が適切な機種のかよく分からないと思います。

最適な集塵機を選定する時の基本的な考え方はとして、「開口面積によって必要な風量が異なる」という事を必ず押さえておいて下さい。

一番多いのが、以下の流れで集塵機を導入してしまって、実際は思うような能力が出ないという事例です。

粉塵をどうにかしたい

集塵機を探して問い合わせる

メーカーにオススメされたものを買う

フードの設計をする

風量が弱い

他メーカーに相談する

能力が全然足りないと言われる

この話は別の記事で詳しくご説明しようと思いますが、必要風量を計算する時、このような計算式を使います。

[必要な風量=開口面積の合計×60×必要なダクト内の風速]

もちろん、静電気の有無やワークの材質、寸法などによって様々な配慮が必要なのですが、ざっくりの開口面積を一番先に決めると、大きな選定ミスは防ぐことが出来ます。

その後の集塵機の選定として、以下のいずれかの方法で選定するのをオススメします。

集塵機の能力から選定する

集塵機の能力を見る際、一般的には、性能曲線表と呼ばれるグラフと、風量と静圧(吸引圧力)を参考にしてだいたいの能力を推察します。

その数値とCADデータを見比べて、能力の割に大きいなとか、これなら小型だし生産ラインの中に組み込めそうだ、などを判断します。その判断を適切に行うために、能力値の観点から見た集塵機の特徴を知っておく必要があります。

風量型集塵機の場合、最大静圧はどの機種もだいたい2㎪くらいで、どれもさほど差はありません。一方、最大風量は超小型のもので、1㎥/min、中くらいのもので5~15㎥/min、20㎥/minを超えてくると、まあまあ大きなサイズになってくるような能力値になります。

高圧型集塵機の場合、ブロワの高回転によって高い吸引圧力を出している事と、遠くにある物質の吸引は考えていないため、風量は大体小さなもので1㎥/min、大きなもので8㎥/minくらいになります。それに対し最大静圧は、低いもので5㎪、高いもので30㎪などのものもあります。ブロワの大きさというより回転数が重要になるので、能力が大きくなっても外形寸法はさほど大きくならないという特徴もあります。

中圧型集塵機の定義は少し曖昧なのですが、風量と静圧にそこまで差がないような機種になり、最大風量4㎥/minに対して最大静圧も4㎪といったブロワが該当してきます。

また、このタイプの集塵機は、能力が大きくなると風量と静圧の値が乖離してくるという特徴もあります。例えば、最大風量が30㎥/minであっても、静圧は同じように30㎪も出ず、せいぜい5㎪くらい。といった感じです。

機能性から選定する

能力値から選定するのが最もハズレを引きづらいのですが、それでも同じような能力の機種を何社も出しているので、結局どれにしようかなと迷うかもしれません。

その場合は、値段ではなく、機能性を比較して選定するのが良いと思います。

先程、地域によって変わる周波数(Hz)を入力して検索するのが最も安い集塵機に出会えると説明しましたが、言い換えれば、「この時代に未だ電源ON/OFFしか付いていないような集塵機も存在する」という事です。

値段がさほど変わらないのであれば機能性が良いものを選ぶ方が良いに決まってますし、機能性についてちゃんと確認しないで買ってしまうと、後で後悔するかもしれません。

市場に出回っている集塵機の主なオプション機能は、ボリューム調整機能、フィルター目詰まりランプ、PLC制御コードなどが該当します。

例えば、適切な風量が定かでないなら、ボリューム調整機能は絶対にあった方が良いと思いますし、粉塵の発生量が多いなら、フィルター目詰まりランプは欠かせないと思います。

風量や静圧にさほど大差がないなら、用途に合わせて必要なオプション機能から検索していくのもありだと思います。

最新の集塵機を選ぶ

それでも良く分からない場合、雑なアドバイスかもしれませんが、とりあえず最新のものを選べば何とかなります。というのも、逆にご注意頂きたいのが、「何年も前に発売された商品なのに、あたかも最新のような書き方をしている集塵機が沢山存在する」という事です。

そういったトリックに騙されないためにも、どのような機能が最新なのかは知っておくべきだと思います。

2024年時点では、エムジオットというIoT集塵機が最新の集塵機で、おそらく今後しばらくはエムジオットを超える機能性を持つ集塵機は出てこないんじゃないかなと、個人的には思っています。

何が凄いかと言いますと、まず、フィルターが詰まった時や、何か機械に異常が起こった時、スマートフォンやPC、タブレットにバナー通知を送ってくれます。

何かあった時だけ教えてくれるので、集塵機やその制御盤を監視していなくても、複数人に、いつから何の異常が、どの機械で発生しているのかを一目で分かるように伝えられます。

しかも、それぞれの集塵機の登録名を自由に決めることができるので、「Aチーム担当 第8ライン2号機」などと登録しておけば、誰が対応しないといけないのかまで分かるようになりました。

集塵機emsiot(エムジオット)のリモート機能

次に、エムジオットは、PLCの設定をしなくてもリモート操作ができます。

生産ラインの中に組み込む時、通常であれば集塵機の外部出力コネクタから、自社の操作盤に集塵機の項目を読み込ませる必要があります。

集塵機の設置

これが地味に厄介で、新規の設備に組み込むならまだ良いんですけど、既存の設備に後付けで集塵機を組み込む場合とかは、結構大変なんですよね(泣)

でもエムジオットは有線と無線の両方でリモート操作ができるので、試験的に設置している段階ではスマートフォンやPCから操作をして、本番環境に移行する時には、専用のリモートコントローラーを制御盤付近に追加で設置してあげれば、PLCの設定を一切行わなくてもリモート操作を行うことができます。

もちろん、既存の制御盤に組み込みたい場合や新設設備の場合は、従来通りPLC制御にて遠隔運転を行う事も可能ですが、専門知識がなくても同じ利便性でご利用頂けます。

そして、CPUを搭載しているので、購入後もアップデートによって常に最新機能をご利用いただけるのも、エムジオットにしかない魅力です。

このような便利な機能なのに、面倒なサブスクリプションではないため導入のハードルが全然高くありません。

集塵機・emsiot(エムジオット)

このように、知られていないだけで実はとてつもない機能性を持った機種も存在しますので、一旦専門のメーカーに問い合わせることをオススメします。

エムジオットに関するお問い合わせはこちら

さいごに

以上が正しい集塵機の選び方でした。いかがでしょうか。

集塵機は、昔から安ければ何でもOKみたいな風潮がありました。確かに能力、機能性が同じなら安い方が良いのですが、時代は変わって、それぞれのメーカーに‘色’が出てきました。

これから集塵機を選定するのであれば、商社様やメーカーに丸投げするのではなく、基礎知識を得た上で、可能な限り相見積もりを取ることをオススメします。

ありがとうございました。

上部へスクロール