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初めまして。
IoT集塵機メーカーのエムジオット株式会社です。
こちらの‘お役立ちコンテンツ’では、エムジオットに関する情報だけでなく、生産工場でのホコリ対策についての有益な情報を余すことなく配信していく予定ですので、定期的にチェックして頂けると嬉しいです!
今回の記事では、「集塵機を選ぶ時のポイント解説」について説明していきたいと思います。
弊社のお客様にお聞きしたのですが、集塵機メーカーなどに集塵機の選定をお願いした時、
ざっと設備の概要を見ただけで、これくらいの集塵機はどうでしょうか。という様にオススメされることが良くあるらしいです。
でも実際は、用途に応じて選ぶべき機種が変わりますし、同じ性能であっても、メーカーによって価格や機能性が異なるので、業者に相談する前に、予め重要なポイントは理解しておく方が良いと思います。
とはいえ、風量型集塵機はこんな用途で、高圧型集塵機はこんな用途で、などといった解説は他のメーカーも出しているので、少し違った角度から解説してみたいと思います。是非最後まで読んでください。
ちなみにこのブログは、集塵の知識を持たずとも理解できる「わかりやすさ」に最も重きを置いておりますが、いくつか専門用語がどうしても出現してしまいますので、もしわかりづらいなと思われましたら、こちらの記事を先にお読みいただくことをおすすめします。
また、記事に関して気になることがあれば、お気軽にお問い合わせフォームからご連絡下さい。
予め考えておきたいポイント
一般的には、能力や価格の差を優先して考える場合が多いですが、それだけで選んでしまうと、後になってやっぱり使いづらい、といった事が起こります。
そうならないように、予め考えておきたいポイントは7つあります。
①吸い込む粉塵の量はどれくらい多いか
②クリーンルームのような清潔な場所で使うか
③常時使用するのか
④使用場所付近に人が常駐するか
⑤別の場所に移動する可能性がないか
⑥フィルターの目詰まりをどうやって判断したいか
⑦後から風量を変更する必要があるのか
これらは、集塵機の機能性が大きく左右する重要なポイントになりますので、1つずつ解説したいと思います。
吸い込む粉塵の量はどれくらい多いか
まず初めに、吸い込む粉塵量がどれくらいかによって、
・パック式フィルター
・成型フィルター
どちらにするかを決めます。
パック式フィルターは、主にコンパクトな集塵機で使われ、交換時はパックを取り換えるだけなので、手や室内が汚れにくいという利点がある一方、
定期的に新品を購入しなければならず、ランニングコストがかかるというデメリットがあります。
成形フィルターは、集塵機の底面に粉塵を溜めることができるので、滅多にフィルターを交換する必要がなく経済的である一方、
交換時にホコリが舞うため、人体に吸い込んだり、部屋が汚れるというデメリットがあります。
なので、吸い込む粉塵の量が多い場合は、成形フィルターの集塵機を選ぶべきで、
反対に粉塵量が多くない場合や、部屋を汚したくない場合は、パック式フィルターを選ぶべきとも言えます。
クリーンルームのような清潔な場所で使うか
この意味を一言で表すと、「排気フィルターが付いているか」というお話です。
集塵機でフィルターというと、一般的には一次フィルターを意味するものです。
一次フィルターの存在意義は、大まかな粉塵を集めることで、μ単位の微細な粉塵については、突き抜ける仕様になっています。
クリーンルームで使うのであれば、排気口に更に細かい粉塵をキャッチしてくれるフィルターを取り付ける必要があります。
もちろん、排気フィルターが付いている集塵機の方が高価で、ランニングコストも発生しますが、
クリーンルームで使用するのであれば、それでも排気フィルター付きの集塵機を選ぶ方が良いと思います。
常時使用するのか
どの工程で使用するかにもよりますが、例えば、研磨や切断など、人が何か作業をしている時に使用するとしたなら、
その人が作業している間だけなので、連続運転はしないと考えても良いでしょう。
しかし、それらの工程が、全て自動化された設備に使用するのであれば、長時間連続運転を行う可能性があります。
このような連続運転を想定していない集塵機が存在しており、価格の安い機種には特に注意しておきたいポイントです。
少し専門的な言い方をすると、集塵機内のブロワの種類が「整流子ブロワ」であれば、要注意です。
掃除機と同じ種類のモータを使用しており、短時間の運転を想定しているため、最大運転時間が3000時間程度となります。
もし24時間連続で運転した場合、3カ月くらいでモータが寿命を迎えることになります。
その代わりに安いということなので、連続で運転する可能性がある場合は、ご注意ください。
使用場所付近に人が常駐するか
当たり前の話に聞こえますが、電源操作を行う時は、集塵機本体の運転スイッチから制御します。
作業テーブルの真横に集塵機を置いて何らかの作業をするのであればなんら問題はありませんが、
自動化された設備の中に設置する場合や、作業現場から離れた場所に集塵機を設置するのであれば、
都度その場所に電源を操作しに行くのが非常にストレスになりますし、
電源の入れ忘れ、切り忘れなどもよく起こります。
PLC制御を組むことによって、集塵機を現場から離れた場所から操作できるようになり、
現場のストレスを軽減できるのですが、そのような外部から入出力を行う信号線が存在しない集塵機が沢山存在します。
そういった機種を選んでしまうと、後から設備の自動化などを行う場合は、集塵機を買い換えないといけなくなりますので、
作業者が集塵機の近くに居ない場合や、いずれ無人化、省人化を想定しているのであれば、この外部出力信号線がある機種を選んでください。
別の場所に移動する可能性がないか
この「別の場所」には2つの意味があります。
まず、工場内のレイアウト変更の可能性があるのかどうかです。
よくあるのが、設備メーカー様の工場で集塵機付きの設備を組み立ててから、後にエンドユーザー様に納品する場合です。
この場合は、ダクト配管工事が必要ない中型サイズ以下のものを選ぶことをおすすめします。
もし、仮稼働の状態と現場での本稼働においては、レイアウトが若干変わる可能性があるので、
別途配管を工事しないといけないような大きすぎる機種を選ぶよりは、中型くらいのサイズの機種を2台使用する方が賢明とも言えます。
もう1つの可能性が、別の工場に持って行く可能性がある場合です。
例えば、株式会社Aさんという会社の工場が茨城県と山口県にあり、茨城県で数年間使用した後に山口県に設備を移動させる。といったことが稀にあります。
この時に問題になるのが、周波数です。
特に中型サイズ以上の集塵機においては、50Hzのみ対応、60Hzのみ対応。という機種が沢山存在するので、
予め納入地域が変わる場合や、同じ機械を全国に展開したい場合は、予め50/60Hzの両方に対応した機種を選定しておくことをオススメします。
フィルターの目詰まりをどうやって判断したいか
基本的な一次フィルターの目詰まり管理について説明しておきたいのですが、どのメーカーも「差圧」によって目詰まりを計測しています。
集塵機の中にはブロワが入っており、そのブロワ付近の吸引圧力と、フィルターを介した後の先端の吸引圧力の「差」が一定以上乖離した時に、目詰まりだろうと判断します。
フィルターが新品であれば、その前後の圧力差はあまりありませんが、目詰まりを起こし始めると、フィルターの先の吸引口は、少し吸引力が落ちてきますが、
掃除機とは違って、元々の能力値が高いので、目詰まり時期に到達しても、ある程度の力で吸引はしてくれています。
だから、つい交換を怠ってしまい、故障を誘発するという事例が非常に多く見られます。
高額な修理代を払うくらいなら、最初からフィルターをちゃんと交換しておけばよかった。なんてお声もよくあります。
なので、「フィルターが詰まっていますよ」というサインを明確に受け取れる機種の方が、
長期間安全にご利用頂ける傾向にあり、この点は最初の段階で考えておく方が良いと思います。
多くの集塵機は、以下どれかの仕様になっているので、ご注意ください。
・そもそも目詰まりを知らせる仕組みがなく、状況を問わず定期的なメンテナンスが必要
・マノスターゲージによって、前後の差圧のみメーター表示されており、値を管理しながら目詰まり時期を判断する
・デジタル差圧機能によって、予めメーターが設定した数値に到達すると赤ランプが点灯する。
後から風量を変更する必要があるのか
⑤の説明で少し触れましたが、一部の集塵機では最初から周波数が決まっています。つまり、ACモータを使用しており、出力の調整が出来なくなっています。
こういった機種でよくあるのが、「風量が強すぎて、轟音を感じてしまう」などの症状です。
機種を選定する時、風量が足りず買い足しが必要になる事を避けるために、どうしてもオーバーサイズを選定しがちです。
いざ現場に取り付けてみたら、反対に能力が大きすぎて音がうるさい、ワークごと吸い上げてしまう、などのトラブルが生じます。
この時、ボリューム調整機能が付いていれば何ら問題がありませんが、そうでない場合、自社で、インバーターを取り付けて交流電源に変える作業が必要になります。
そうならないために、
・ACモータのブロワだが、インバーターが搭載されている
・DCモータのブロワで、予めボリューム調整が可能
このどちらかの集塵機を選定する事をおすすめします。
集塵機を選ぶために知っておきたい最新機能
これまで、要望に応じた集塵機の選び方を説明してきましたが、フィルター目詰まりサインやボリューム調整などの、当たり前のような機能すら付いていない機種が沢山存在するので要注意ということをご理解いただけたかと思います。
私達が日々営業する中で、多くのユーザー様は「ちゃんとした集塵機」を選定したいという意見を頂戴します。
この「ちゃんとした」という意味を弊社なりに言語化するならば、
・最低限の異常検知機能などはあった方が良い
・もし+αの便利機能があれば尚可
・とはいえ、高すぎるものはNG
という風に理解しています。
もし集塵機の選定で迷う、既に使っている機種があるが特に理由はない。といったユーザー様は特に、これまでご説明した基本的なポイントに加えて、「最新の機能」を知っておくことをオススメします。IoT集塵機’エムジオット’という集塵機は非常に便利で、沢山の業界初の機能が揃っています。
フィルター目詰まり時に担当者のスマホ、PCに直接通知
集塵機は定期的なフィルター交換などのメンテナンスが必要となるため、それぞれのフィルター目詰まりを個別で管理するのは非常に面倒。
交換ランプが点灯しても運転自体はできているため、つい放置していると、故障の原因となり高額な修理費用が発生することもあります。
エムジオットは、フィルター交換時期や、その他の異常が発生した時に、
関係者のスマートフォンやPCに直接通知を送ることができるため、負担なく複数台を管理することができます。
登録名を自由に設定できるため、設備名や担当者の名前で登録しておくことで、複数台を管理する場合も、どの設備で、どのような異常が発生しているかが一目でわかります。
通知機能は、複数台のデバイスに登録する事ができ、不要になればワンプッシュで通知をOFFにすることもできるため、 部署移動時や長期休暇の際には通知を受け取らないこともでき、余計なストレスを与える心配もありません。
遠隔制御を行う場合でもPLC設定が不要
通常、集塵機を遠隔で操作するには、別途PLCの設定作業を行う必要があります。この設定が自社で行うことができない場合、集塵機の本体価格よりも高額な設定費用が発生することになります。
エムジオットは、専用のリモートコントローラー(別売)を繋げるだけで、10メートルまで離れた場所から遠隔操作を行うことができます。
エムジオットは、最上級の基本機能を追求しており、これまでにない利便性を体感いただけます。
通常の集塵機と比べて、PLC設定費用が追加で発生しないため、結果的により安価に遠隔操作を行うことができます。
加えて、スマートフォンやPCからも完全無線にて操作することができるため、
グローブボックスや生産装置の内部に設置する場合でも、試作検証段階からリモートで操作することができます。
過去の異常発生、メンテナンス履歴を自動で記録
前回フィルター交換を行ったのはいつごろか、過去に故障の履歴はないかなど、従来であれば個別の管理が求められますが、
エムジオットは異常発生記録や、メンテナンスの履歴を自動で保管し、ブラウザ上でいつでも確認することができます。
これまでは、メモ書きを機械に張り付けたり、エクセルなどの別表で管理していたストレスがなくなり、
ユーザー様は個別の管理が非常に簡単になります。
●記録可能項目
・一次フィルター交換履歴
・二次フィルター点検履歴
・排気フィルター点検履歴
・過負荷異常発生履歴
・温度異常発生履歴
・通信エラー履歴
※10回前まで確認可能
アップデート機能搭載で、購入後も新機能搭載が可能
集塵機に限った話ではなく、従来の産業機器は、新しい機能を持つシリーズが発売されて、その機能を使うのであれば、新しく買い直さなければなりません。
機械自体は問題なく稼働しているのにわざわざ新品に買い換えることが難易度が高く、ユーザー様にとってもストレスになります。
こういった理由により、メーカーは、あまり頻繁に新製品を発売してきませんでした。
エムジオットには、アップデート機能が搭載されているため、後から新機能が出てきても、バージョンをアップデートすることで、その機能を利用することが出来ます。
この機能によって、メーカーはこれまで以上にユーザー様の声を聴き、頻繁にアップデートを重ね、更なる品質を追い求めることが出来ます。
併設する設備の異常も、集塵機を経由して通知
④で説明したアップデート機能によって、開発段階では考えていなかった機能を追加したのが、こちらです。
「集塵機にトラブルが起これば通知が届くなら、集塵機を使用する設備にトラブルが起きた際も、集塵機を止める設定にすれば、設備の異常も通知できるじゃないか!!!」
という発想から生まれた新機能です。
これにより、例えばレーザー加工機、二次電池切断機、コンデンサ製造装置などと一緒にエムジオットを使うと、その既存設備もプチIoT化が出来るようになりました。
既存の設備や加工機などで集塵機を利用する際、従来では、集塵機側の外部出力信号をそれら設備の運転と連動させて「遠隔運転」を行っていました。
このような「PLC」を用いた設備の連動、操作パネルの集約が主流となっていますが、
省人化が著しく進む現代においては、それら設備を常に人力で管理することが難しくなり、設備全体をIoT化させる方法を検討していく必要性が増しています。
新設設備においては、既製のIoTデバイスを活用することである程度の解決は可能ですが、
既存設備においては、高額な予算に加えて、作画ソフトやネットワークに関する一定以上の専門知識が作業者に求められます。
加えて、サブスクリプション形式の製品も多く、思う様に設備のDX化が進まないという声をよく耳にします。
買い切り型や、作画知識が不要なソフトも徐々に普及していますが、それでも幅広くは普及していません。
また、PCの画面上に常に稼働状況を表示させることは比較的簡単ですが、
あくまでモニターを監視する人がいて成立するため、異常時に「通知」させるには、学習難易度やコストパフォーマンスも含めて、ハードルが高いのが実態です。
こんな高い壁を、エムジオットなら一発でクリアできてしまうのです。
さいごに
以上が「集塵機を選ぶ時のポイント解説」でした。いかがでしょうか。
今回は、とにかくユーザー様目線でポイントになる事を話してみました。
機能性については、メーカーごとに違いがありますので、とりあえず最新のものを探すようにしてください。
特に今回伝えたかったのは、「何年も前に発売された商品なのに、あたかも最新のような書き方をしている集塵機が沢山存在する」という事です。
そういったトリックに騙されないためにも、どのような機能が最新なのかは知っておくべきだと思います。
2024年時点では、エムジオットというIoT集塵機が最新の集塵機で、
おそらく今後しばらくはエムジオットを超える機能性を持つ集塵機は出てこないんじゃないかなと、個人的には思っています。
このように、知られていないだけで実はとてつもない機能性を持った機種も存在しますので、一旦専門のメーカーに問い合わせることをオススメします。
ありがとうございました。