皆さんこんにちは、IoT集塵機メーカーのエムジオット株式会社です。
私たちは、ただ集塵機を販売するだけではなく、製品に付着したホコリや削りカスなどの集塵ソリューションまでのトータルサポートを行っております。
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- 樹脂を削ったら、その削りカスが出てしまう
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- 布を編んだら、糸くずが付いてしまう
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- 基板やアルミ箔などを切断したら、切りカスが出てしまう
などの問題で頭をかけていらっしゃる生産工場の関係者の方は多いのではないでしょうか。
日々の営業活動で私たちは、そのようなお客様に、集塵機だけでなく、その先端に取り付ける集塵ノズルの知見を活かしたソリューションをご提案しているのですが、
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- そもそも集塵機について詳しくない
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- 他の集塵機メーカーに問い合わせても、根本的な解決に至らない
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- 参考文献が少なすぎる
このような声をよく耳にします。
私も試しに色々と検索しましたが、やっと見つけた参考文献がこちらです。
1.気体中分散気体中分散微粒子の運動
集塵操作は、気体中で粒子が気流と異なった運動、つまり相対運動をした結果として期待中から分離される操作である。したがって、気体中でどのような相対運動をするかを知る事が集塵現象には欠かせない。そこで、本章ではまず、粒子運動の基礎的な知識、考え方について概説する。
筆者の方には本当に申し訳ありませんが、私は理解できませんでした、、、
ですが私と同じ意見の方も多いのではないでしょうか。
この記事を読んで頂いている方の目的は、恐らく、理論を知りたいのではなく、現場で発生している粉塵の解決方法を知りたいのだと思います。
そこで、弊社はこれから、誰でも理解出来て実践できるような、本当の意味で役に立つコンテンツを配信したいと思います。
誰でも理解できる内容を配信するには、出来る限り専門用語を使わないようにする必要があると思いますが、さすがに1つも使わずにお話する事は難しいので、
まず今回の記事では、「最低限理解が必要な専門用語」について解説していきたいと思います。
是非最後まで読んでください!
もくじ
Toggle集塵機とは
まず初めに、そもそも集塵機とはなんぞやというところからお話させていただきます。一言で、「工場で使われる大きな掃除機」と表現されることが多く、サイズやパワーに大きな違いがあります。
メーカー目線からもう少し具体的に言うと、「先端のヘッドが付属しているか」という違いも非常に重要です。その先端のヘッドのことを、「除塵ノズル」や「集塵ノズル」と呼びます。
なので、家庭で使われる掃除機は購入後すぐに使用できますが、集塵機の場合は、ホース径の選定や、除塵ノズルの製作をしないと使用する事ができません。
どうして先端のヘッドが付属していないかというと、掃除機の場合は、能力やメーカー問わず、人が手動でゴシゴシ清掃するという動作が決まっているのに対して、集塵機の場合は、人が作業している真横に置いたり、自動化された設備に使用したりと、使用用途が多岐にわたるため、汎用のヘッドを提供することが出来ないためです。
インターネットで「集塵機」と検索すると、様々な機種がヒットしますが、どれがその工場にマッチしているかわかり辛いし、価格差もありすぎて、相談なしで購入するのは怖いと思います。
細かな種類の違いはありますが、大きく分けて2種類に分類されますので、それらを説明します。
集塵機の原理をざっくりお話すると、機械内部はブロワと呼ばれる「吸引器具」と、吸引した粉塵がブロワに侵入しないよう防いだり、排気口からそのまま吹きこぼれたりしないようにする「フィルター」で構成されています。そのブロワの種類によって、集塵機の使用用途や特徴が大きく変化します。
●風量型集塵機
換気扇をイメージするとわかりやすいのですが、「空間の空気を入れ替える」という機能に特化しているタイプの集塵機を「風量型集塵機」と呼びます。
ブロワ内部の羽の回転数が低く、換気扇や扇風機のように連続運転しても熱がこもらない構造がデフォルトなので、価格が比較的安いです。
ただし、このタイプのブロワの多くは交流電源を使いますので、ボリューム調整が出来ない、ON/OFF機能だけの型式が多いのはデメリットと言えるでしょう。
●高圧型集塵機
このタイプの集塵機は、先程の換気扇の原理とは異なり、掃除機のように「物を吸い上げる」という機能に特化しており、吸引圧力が強いという特徴があります。ブラシレスブロワと呼ばれる、非常に回転数の高いブロワを使用する事で吸引圧力を上げることができ、より異物除去の用途にマッチした集塵機です。
このブロワが直流電源で動いているので、スピード調整が細かくできるというメリットがありますが、回転数が高い分熱がこもりやすく、故障リスクを回避するために色々な細工がされているため、高価なものが多いのはデメリットとも言えるでしょう。
このように、この比較を見ると、
- 空間の空気をクリーンにしたいなら風量型集塵機
- 製品に付着した粉塵を取りたいなら高圧型集塵機
という事が言えるでしょう。ただ、実態としては高圧型集塵機は高価なので、
風量型集塵機の方がより多く市場に出回っています。
集塵機の能力を表す単位
2種類の特徴についてはご理解頂いたと思いますが、その機種の能力を示す単位について深堀していきましょう。
●風量(㎥/min)
風量型集塵機の説明で換気能力と言いましたが、「1分間に吸い込む事が出来る量」を基準に能力を判断します。
例えば、5m(たて)×5m(よこ)×3m(高さ)の部屋があったとします
この部屋の立法面積は、5×5×3×=75㎥となります。
一方、集塵機の能力を表す風量の単位は、㎥/minで、
1分あたりに吸い込む風の量なので、例えば15㎥/minの能力の集塵機をその部屋に置いた場合は、75÷15=5となり、
5分間で部屋の空気が一巡するということになります。
設置場所の立方面積を算出して、この計算を行うと、何分、何秒くらいで空間をクリーンにすることが出来るかがわかります。
●静圧(㎪)
風量によって、空間の空気を一巡する考え方を説明しましたが、この計算式は、あくまで「空気」を吸い込むことしか考えていないので、集塵機の選定にそのまま生かす事はできません。集塵機の場合、粉塵を吸い込むことになるので、その粉塵のサイズ、重さなどを考慮する必要があります。
つまり、どれくらいの重さのものを吸い上げる能力があるのかを示す、「静圧」という考え方も理解しなければなりません。
キロパスカル(㎪)という単位で表され、集塵機業界ではシンプルに「物を吸い上げる力」という意味になります。
10㎪の集塵機であれば、ホースを密着させれば10キロの物を持ち上げることができます。
集塵機選定の落とし穴
●圧力損失
風量と静圧さえご理解頂ければ、集塵機に関してはざっくり理解できていると言えます。集塵機メーカーのサイトを見ると、「最大風量」「最大静圧」などが記載されており、先程の情報を基に考えれば、なんとなく良さげな集塵機をピックアップする事はできると思います。
ですが、それらの数値は必ず「最大」と記載されていることにご注意ください。
というのも、冒頭で説明した通り、掃除機と違って先端のヘッドが付いていないので、購入してもすぐに使うことが出来ません。しかも先端の除塵ノズルに関してはユーザーによって形状や大きさなど全てが異なるので、
「この集塵機をあなたの工場で使うとこの能力が出せます」というデータを開示することができないからです。とはいえ、大体の数値を示さない事には、能力の高い集塵機なのかどうか判別できませんので、「ホース、ノズルを接続しないで、集塵機単体で使った場合の最大値」を示すことにしています。
なので、実際には、ホースを接続して、ノズルを付けた場合は、記載されている能力値よりも必ず劣ることになります。この現象を「圧力損失」と呼びます。
集塵能力を正確に算出するには
メーカーが出す数値は最大値で実際はそれより劣るという事でしたが、どれくらい劣るでしょうか。
これには、集塵パターンによって細かく異なる計算方法がありますが、基本的には「最大能力-圧力損失値」になるので、ホースの距離、曲がり方、フードのサイズ、開口面積などを算出して、それらを引き算で導くことになります。
この計算方法についてはかなり複雑なので別の記事で後日説明しますが、1つ言えるのは、「性能曲線表」というグラフを使うことで、どれくらいの能力が出るのかを簡単にシミュレーションすることが出来ます。
これは、静圧が〇〇㎪の時、風量はどれくらい出ていますよというグラフで、ホース、フードを繋いだ状態での静圧、もしくはフードを通過している風速を測定出来れば実際の能力を算出することが出来ます。
この辺りも、別の記事でじっくり解説したいと思います。
良い集塵機の特徴
今回もしこれから集塵機を選定する場合、何を基準に選定すれば良いでしょうか。まず当然ですが、風量、静圧、寸法、定格電流値などの項目を確認する必要がありますが、正直なところ、そのような基本性能はどのメーカーも大差ありません。となると、最も意識しなければいけないのは、「付加価値機能」です。
メーカーによって大きな違いとなる点を以下に記載しておきますので、良ければ参考にしてください。
●ボリュームスイッチ
要するに風量調整が出来るかどうかです。これがあると、余裕を持って少し大きめの機種を選定し、稼働時に風量を調整することが出来ます。
●フィルター目詰まりランプ
集塵機はあくまで掃除機のような機械なので、多少フィルターが詰まっても運転自体に影響はありません。ですが、長時間放置すると故障の原因になりますし、何よりも吸引力が落ちるので、それを知らせてくれる機能があるかどうかは確認した方が良いです。
●外部出力信号線
この信号線があれば、PLCの設定を行えば、離れた場所から制御盤でも操作ができるようになりますので、わざわざ設置場所にスイッチを押しに行く必要がありません。加えて、異常信号を受け取る事ができる機種もあるので、フィルター目詰まり時などにも、離れた場所にランプを点灯させることが出来ます。
それ以外の機能については、どの集塵機メーカー大差ありませんので、基本的なルール通りに選定すれば良いです。
ちなみに、最新の集塵機にはどのような機能が付いているかご存じでしょうか。
2024年時点で最新と言われている集塵機が、IoT集塵機 エムジオットです。
エムジオットは、フィルターが詰まった時点でスマホやPCに通知を送ることができて、PLCの設定を行わなくてもリモート操作をすることが出来ます。
加えて、その通知機能を応用して、ユーザー様側の設備に異常が起きた際、エムジオットに電圧を付加すると、集塵機を経由して異常を伝えてくれることができます。今後集塵機を選定するのであれば、このような最新機種でのご検討を強くおすすめさせて頂きます。
まとめ
今回は、集塵機を選定するに辺り絶対に知っておかないといけない専門用語について解説させて頂きました。いかがでしょうか。
エムジオット株式会社は、ただ集塵機を販売するだけでなく、ホコリ対策の根本的な解決に向けて、どこよりも寄り添うことが出来る集塵機メーカーです。
ユーザー様で選定する事は理論上可能ですが、先端のノズルを含めて不安要素があれば、弊社のような専門メーカーにお気軽にお問い合わせください。
今後沢山の集塵に関するコンテンツを配信していきますので、定期的に読みに来ていただけますと幸いです。
ありがとうございました。