世界初の工業用IoT集塵機 エムジオット

(計算式あり)集塵機選定のコツ

はじめに

こんにちは!IoT集塵機メーカーのエムジオット株式会社です。
私たちは、生産設備で使用する集塵機を製造しているのですが、日々の活動でお客様と話す中で、現在使っている集塵機の選定方法についてお尋ねすると、多くの方は、「特に理由はない」と回答いただく事が多々あります。

確かに、簡単に言うと集塵機は風を吸い込むだけの機械ですので、そこまで詳しく知る必要はないかもしれませんが、正しい選定を行うことで、これまで以上の効果を出すことができ、且つ安全に長期間ご利用いただくことができます。

今回の記事では、集塵機選定のコツについて、詳しくご説明していこうと思います。
なお、弊社のお役立ちコンテンツは、何よりも「わかりやすさ」を追求しておりますので、
本当に詳しい方からすると、少し説明が足りない!と思われるかもしれませんが、その辺りはご容赦いただけますと幸いです。

集塵機の存在意義について

少し堅苦しい言い方をしましたが、要するに、どのような場所、工程で、どのような目的で使うという基本的な目的を明確にしておく必要があります。
 

目的を明確に

まず、集塵機が必要となった場合、「目的」を明確にすることが大切です。
なぜ集塵機が必要なのかという話なんですが、例えば、研磨の工程で、粉塵が空気中に浮遊して「作業者が吸い込む」のを防ぎたい。などの、目的をまず初めに明確にしてください。
この場合だと、「人体を守る」という構想に傾いていきますし、反対に、研磨粉が「製品に付着するのを防ぐ」という場合だと、品質管理の方向性にシフトしていくと思います。
 
後に詳しく話ますが、この目的によって、集塵機の先端に繋ぐフードの設計方法が全く変わってきますのでご注意ください。
 

粉塵の特徴

主な目的が明確になったら、次はどのような粉塵を吸い込むのかを明確にしましょう。
この時、色々な物を吸い込める方が良いと考える方がいらっしゃるのですが、実際に発生する粉塵の名称、サイズ、特徴などを明確に捉えておかないと、最悪の場合は買い替えが必要になることもあります。
 
基本的なチェック項目は以下の通りです。
 
・乾燥した粉塵なのか
・油やミストが付着していないか
・ヒュームの集塵ではないか
・熱を含まないか
・爆発性がないか
 
このような選択肢の中から該当するものをチェックし、必要な集塵機のタイプを決めます。
例えば、乾式粉塵であれば、いわゆる普通の集塵機になりますので、比較的安価で済むでしょうし、煙の吸引を行うのであれば、レーザーマーキング、加工機用集塵機が必要となります。
 

クリーンルーム

次に、「その集塵機をどこで使うのか」という事を明確にします。
ざっくり言うと、クリーンルームか一般環境かという話ですが、クリーンルームの場合、どれくらいのクラスで使うのか?ということも明確にしないといけません。
ここは非常に大切なところなので、深堀してご説明します。
 
クリーンルームは、クリーン環境に応じてクラス分けされています
 
【ISO規格】ISO 14644-1(国際標準規格)
 
ISOクラス 0.1μm粒子数の上限(/㎥) 0.5μm粒子数の上限(/㎥) 主な用途例
ISO 1 10 半導体超精密製造(露光工程など)
ISO 3 1000 35 医薬品注射剤の充填ラインなど
ISO 5 100,000 3,520 クリーンベンチ内部、医療デバイス製造
ISO 7 10,000,000 352,000 製薬製造室、一般的な精密部品の組立室
ISO 8 3,520,000 検査室、塗装室、外部エリア
このように、実は厳密にクラス分けがされています。
このクラスに応じて、排気フィルターの性能を分けていますので、
フィルターが、工場が要求するクラスに満たしていない場合、集塵機の排気フィルターから粉塵をまき散らしてしまうことになりますので、ご注意下さい。
 
とはいえ、実際に一番多いパターンは、「名称はクリーンルームで、出入口にエアシャワーがあるくらい清潔。だが数μ程度の異物は普通に浮遊している」というようなパターンです。
こういう場合は、既に導入されている集塵機の型式を調べるのが一番です。ポイントは、小型や中型くらいの集塵機が置かれている場合は、屋内排気をしているので、少し緩い可能性があります。
反対に、集塵機が設置されておらず、完全な屋外排気仕様なのであれば、かなり厳密な可能性があります。
 
他にも、「フィルター交換時に粉塵が散乱する」という特徴がありますので、厳密なクリーン環境で使用する場合は、特殊な仕様が求められることもあります。
 

PLC

集塵機を通常操作する場合、本体では一般的に、以下のような項目があります。
・運転ON/OFF制御
・運転信号
・フィルター目詰まり
・異常ランプ
 
これらの操作、表示は、当たり前ですが全て集塵機本体で行います。
そのため、もし、何かの設備に付帯、連動して使用する場合は、外部に信号を出力できるか確認しないといけません。
これをやらずに集塵機を選定してしまうと、集塵機の電源操作を行うために、わざわざ設置場所まで毎回言って操作しないといけなくなり、且つフィルターの目詰まりも本体にしか表示されず、作業者が見に行かないと分かりません。
 
案外、この時代でもこのような外部出力すらできない集塵機も多々ありますので、ご注意ください。
 
 

フードの形状を決める

ここまで、色々な事を決めましたが、まだ具体的な機種の選定は出来ない段階だとお考え下さい。
結論を先に申し上げると、必要な集塵能力は、フードの形状によって決定されます。
極端な例えですが、以下のように、良く分からない場所に小さいフードを付けたとします。
 
 
当然、位置関係が微妙なので、チップに付着した異物は全く取れません。
そのため、どのようなフードにするのかを予め決めて、その開口面積を算出してから、必要風量を計算します。
ここはプロが設計、計算した方が確実ですので、この計算に力を貸してくれない集塵機メーカーは、やめておいた方が良いかもです。
 

集塵方法

計算をするために、覚えておいていただきたい事は2つです
 
1)粉塵を下から上に吸い上げる方法、上から横や下に落とし込む方法の2種類ある。
2)下から上に粉塵を吸い上げる方法は、素人では無理
 
下から物を吸い上げる時には、物を吸い上げる力が必要になります。
この吸い上げる力の値を、集塵機業界では静圧と呼びます。
静圧が強くなれば、その分、ワークを吸い上げる力も強くなりますので、粉塵と一緒にワークも吸い上げてしまいます。
これを防止するには、ワークが吸い上がらないような固定など、複雑な機構が必要となってきますので、
何となくでは作れませんし、できたとしてもコストが非常に高く、簡単に回収ができないでしょう。
ですので、皆様は是非、「粉塵なら下方向、煙なら横方向に粉塵を飛ばす」ような機構を意識してください。そうすると、エアブローなどで粉塵を飛ばしてあげれば、楽に吸引ができます。
 
 

計算式(ざっくり)

今回は、粉塵を下に落としたり、横から吸ったりする前提なので、静圧をあまり考慮しないで計算をします。
例えば、こんな感じの集塵設備が出来たとします。
 
 
この場合、入口と出口に開口部があるので、片方の開口部を計算して×2するようなイメージです。
 
計算方法は、
たて(m)×よこ(m)×60×風速(m/s)=必要風量(㎥/min)
という、至ってシンプルな計算方法です。
 
風速については、別のタイミングで詳しく説明しますので、
今回はざっくり2m/sとして代入します。
 
0.3×0.1×60×2=3.6㎥/min
 
出口分も考慮して、×2=7.2㎥/min
 
これが上記の集塵機構で必要な風量となります。
 
ここで、やっと必要な集塵機が選定できるようになりました。
このように
正しい方法で選定すると、案外考えなければならないことが多く、奥が深い内容となっています。
あくまで今回は一例を紹介しただけですので、実際に御社で集塵機を選定する場合は、遠慮なくお問い合わせいただければ、こちらからご提案をさせていただきます。
反対に、このようなやり取りが無いまま機種を提案されるような場合は、あまり信用は出来ないのでご注意ください。
 

その他のポイント

その他にも、知っておいた方がよいポイントについて、いくつかご紹介します。
 

ランニングコスト

集塵機は、長時間稼働するような機械ですので、消費電力や消耗品のコストシナリオなどは想定しておいた方が良いと思います。
昨今は電気代が上がっていますので、具体的な金額は電力会社への問い合わせが必要となりますが、
モータ容量、定格電流値、電源の種類などは必ず事前に確認し、もし長時間稼働するのであれば、200V単相電源のものを選ぶのがもっとも電気代は安く済みます。
 
また、粉塵量にもよりますが、消耗品のコストも地味に効いてくるので、交換サイクルと1枚当たりの単価は必ず確認しておきましょう。
 

使用場所

集塵機は、50/60Hz共通でない機種が未だに多く存在しますので、必ず確認するようにして下さい。
もし、設置場所が変わる可能性があるのであれば、多少導入コストが高くても、インバーター付き(制御可)の機種を選定してください。
 
 

さいごに

以上が「集塵機選定のコツ」でした。いかがでしょうか。
どれを使っても大差のない製品だと思われがちですが、実は非常に奥が深く、細かい事を知っておかなければならない製品なのでご注意ください。
個人的な意見ではありますが、近年の集塵機は、用途さえ間違わなければ、風量などの基本的なメーカー自体には大差はないのかなと思っています。
では、何で選ぶのか?という点ですが、ズバリ機能性だと考えています。
 
・オーバースペックで選定したせいで風量が大きすぎた。
・フィルター目詰まりサインがなく、交換時期が分からない
・運転ランプがなく、正常に運転しているかが分からない
 
このようなことが運用後に発覚すると、現場はとても混乱してしまいます。
そのため、できるだけ最新の集塵機を選定するのが重要だと思います。
 

2024年時点では、エムジオットというIoT集塵機が最新の集塵機で、おそらく今後しばらくはエムジオットを超える機能性を持つ集塵機は出てこないんじゃないかなと、個人的には思っています。

何が凄いかと言いますと、まず、フィルターが詰まった時や、何か機械に異常が起こった時、スマートフォンやPC、タブレットにバナー通知を送ってくれます。

何かあった時だけ教えてくれるので、集塵機やその制御盤を監視していなくても、複数人に、いつから何の異常が、どの機械で発生しているのかを一目で分かるように伝えられます。

しかも、それぞれの集塵機の登録名を自由に決めることができるので、「Aチーム担当 第8ライン2号機」などと登録しておけば、誰が対応しないといけないのかまで分かるようになりました。

集塵機emsiot(エムジオット)のリモート機能

また、エムジオットはPLCの設定をしなくてもリモート操作ができます。

生産ラインの中に組み込む時、通常であれば集塵機の外部出力コネクタから、自社の操作盤に集塵機の項目を読み込ませる必要があります。

これが地味に厄介で、新規の設備に組み込むならまだ良いんですけど、既存の設備に後付けで集塵機を組み込む場合とかは、結構大変なんですよね(泣)
もちろん、既存の制御盤に組み込みたい場合や新設設備の場合は、従来通りPLC制御にて遠隔運転を行う事も可能ですが、専門知識がなくても同じ利便性でご利用頂けます。

そして、既存の設備に重大な異常が発生した場合に、エムジオットを経由して関係者に通知を送ることもできるので、既に置いてある設備も併せてIoT化できるのも素晴らしい魅力だと思います。
CPUを搭載しているので、購入後もアップデートによって常に最新機能をご利用いただけて、しかも面倒なサブスクリプションではないため導入のハードルが全然高くありません。

集塵機・emsiot(エムジオット)

このように、知られていないだけで実はとてつもない機能性を持った機種も存在しますので、一旦専門のメーカーに問い合わせることをオススメします。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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